10年・50回超のLCC家族旅行で気づいた本当の節約術

公開: 2026年6月22日更新: 2026年7月5日旅ガジェット番長・リョウ
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著者の経験背景

筆者は2014年からLCCを使った家族旅行を始め、現在までに国内外合わせて50回以上の搭乗経験があります。子どもが0歳のころから連れて行き始め、今では小学生2人と夫の4人家族での旅行が年に4〜6回ペースになりました。

最初のころは「安いチケットを買えば節約できる」と単純に考えていましたが、それは大きな誤解でした。追加料金、荷物のトラブル、スケジュールのミスで、むしろ割高になった旅行が何度もあります。

その失敗を繰り返すなかで、LCCならではのルールと向き合い、少しずつ「本当に安く旅できる方法」を身につけてきました。この記事では、実際に試行錯誤してきたプロセスと、今実践している節約術をお伝えします。


目次

LCCをめぐる家族旅行の現在地

国土交通省航空局が公表している「航空輸送統計」によれば、国内LCCの旅客数はコロナ禍前の2019年時点で年間約2,000万人を超え、国内航空旅客全体の約15〜17%をLCCが占めるまでに成長していました。その後コロナ禍で一時落ち込んだものの、2022年以降は急速に回復し、2023年度はコロナ前を上回るペースで推移しているとされています。

総務省統計局「家計調査」(2026年版)のデータでは、2人以上世帯の「交通・通信費」に占める旅行関連支出の割合は依然として高く、特に子育て世代(30〜40代)では年間の旅費負担を「できれば減らしたい」と感じている割合が高い傾向にあります。

LCCが普及したことで、かつては「遠くて行けない」と思っていた目的地が身近になった一方、「安さの落とし穴」にはまるケースも増えています。国民生活センターへの相談事例でも、LCC利用時の手荷物ルール違反による追加料金トラブルや、フライトキャンセル時の対応に関する問い合わせが増加傾向にあることが報告されています。

特に家族連れの場合、大人1人では気にならない追加コストが人数分で積み重なります。例えば座席指定料金が1人1,000円であれば、4人家族では往復だけで8,000円になります。これはLCCの基本運賃に対して決して小さな金額ではありません。

また、国土交通省が公表している「観光白書」(2026年版)では、日帰り旅行と宿泊旅行を合わせた国内旅行消費額のうち、交通費が占める割合は約30〜35%とされており、ここを削減できれば家計への影響は相当大きいと言えます。

こうした背景を踏まえると、LCCを「ただ安いもの」として使うのではなく、仕組みを理解したうえで戦略的に活用することが、家族旅行の節約には不可欠です。


「安い席を買えば安い」という思い込みで失敗した話

LCCを使い始めた最初の年、家族4人で沖縄へ行くチケットをひとり往復5,000円台で取れたときは本当に舞い上がりました。「新幹線の半額以下で飛行機に乗れる」と家族に自慢したことを今でも覚えています。

しかし空港に着いてから現実を思い知りました。預け荷物を追加していなかったのに、子ども用の荷物が多くて機内持ち込みサイズをオーバーしてしまい、当日カウンターで追加料金を支払うことに。往復で1人あたり2,000〜3,000円、4人分で合計約1万円が飛びました。

さらに、出発が早朝6時だったため前泊が必要になり、空港近くのホテル代もかかりました。駐車場代と高速道路代を合わせると、「安いチケット」は結果的にそれほど安くなかったのです。

このとき初めて「LCCのチケット代はあくまでスタートライン」だと理解しました。追加料金がどこで発生するかを事前に把握しなければ、トータルコストはFSC(フルサービスキャリア)と変わらなくなることもあります。

この失敗以降、私はチケットを購入するたびに「追加料金チェックリスト」を自分でつくり、手荷物・座席指定・チェックイン方法・支払い手数料の4項目を必ず確認するようにしました。特に手荷物については、各LCCによってサイズや重量の規定が細かく異なるため、渡航ごとに航空会社の公式サイトで最新情報を確認することを習慣にしています。

失敗から学んだことは、チケット代と総旅行費用を分けて考えるクセをつけることです。安い運賃に飛びつく前に「トータルでいくらになるか」を試算することが、LCC節約の第一歩でした。


座席指定をあえて「しない」選択肢

家族旅行でLCCを使うとき、多くの人が「バラバラに座るのは困る」と考えて座席指定料金を支払います。筆者も最初の2年間はそうしていました。しかし4人分の座席指定料金は往復で6,000〜12,000円にもなり、積み重ねると年間の旅費にそれなりの差が出ます。

あるとき思い切って座席指定をせずにチェックインしてみたところ、意外な事実がわかりました。オンラインチェックインを開始直後(フライトの24〜48時間前が多い)に手続きをすれば、空いている座席をランダムアサインながら比較的まとまった席が当たりやすかったのです。

もちろん毎回うまくいくわけではなく、4人がバラバラになってしまったこともあります。そのときは搭乗後に周囲の乗客にお願いして席を替わってもらいました。子連れと伝えると応じてくれる方が多く、大きなトラブルになったことは一度もありませんでした。

一方でこの方法が通用しないシーンもあります。繁忙期や人気路線では満席に近い状態で座席指定なしのチェックインをすると、完全にバラバラになるリスクが高まります。筆者の経験上、搭乗率が高そうな時期(お盆・年末年始・ゴールデンウィーク)はあえて座席指定料金を払い、閑散期は指定なしで臨機応変に対応するというメリハリが有効です。

また、子どもが乳幼児のうちは無理をせず座席指定を取るべきだと感じています。泣いているときに親と離れた席にいるのはお互いにとってストレスが大きく、周囲への影響も無視できません。節約は大切ですが、子どもの年齢や状況に応じた判断が必要です。


荷物を減らすことが最大の節約になる

LCC節約の本質は「荷物を減らすこと」にあると気づいたのは、旅行を始めて3年目のことでした。手荷物料金を無料に抑えられれば、4人家族でも往復数万円単位の節約になり得ます。

最初のころは「子どもがいるから荷物が多くて当然」と思い込んでいました。しかし実際に荷物の中身を一度全部出して並べてみると、結局使わなかったものが半分以上ありました。「念のため」が積み重なって、スーツケースがパンパンになっていただけでした。

旅行用の圧縮袋を使い始めたことで、衣類の体積を大幅に減らせるようになりました。特にS・M・Lサイズが入ったセットタイプは子どもの服から大人のジャケットまでまとめて圧縮でき、機内持ち込みサイズのバッグに収まるようになったのは大きな変化でした。

また、現地調達できるものは買わないという原則を徹底しました。シャンプー・ボディソープ・ドライヤーはホテルに備え付けのものを使い、子どものおむつや飲み物は現地のコンビニや薬局で購入します。国内旅行であれば物価の差もほとんどないため、荷物に入れていく必要はほぼありません。

3泊4日の旅行でも、今では大人2人・子ども2人の4人分の荷物を機内持ち込みサイズの中型バッグ2個に収めることができています。これにより預け荷物料金はゼロになり、到着後の荷物受け取りの待ち時間もなくなるため、旅行の効率そのものが上がりました。

荷物を減らすプロセスは最初は面倒に感じますが、慣れると「何を本当に必要としているか」が明確になり、旅行そのものへの満足度も上がるように感じています。


早朝・深夜便の活用と「前乗り」コストの現実

LCCで安いチケットを取ろうとすると、必然的に早朝や深夜の便になることが多いです。筆者も何度もその選択をしてきましたが、「前乗り」にかかるコストを甘く見ていた時期がありました。

例えば朝6時発のフライトに間に合わせるには、前日のうちに空港近くに移動する必要があります。電車の始発でも間に合わない場合は深夜タクシーか、前泊ホテルを使うことになります。家族4人でホテルに泊まれば最低でも8,000〜15,000円は必要で、これがチケット代の節約分を超えてしまうことも珍しくありませんでした。

この失敗を経て、今は「チケット代+アクセスコスト+場合によっては前泊費」をセットで計算してから予約するルールを自分に課しています。早朝便が本当に得かどうかは、この総額を比較してから判断します。

一方で早朝便を上手に使えるケースもあります。空港近くに住んでいる方や、車で直接空港まで行ける環境では、早朝便のメリットが純粋に享受できます。また、目的地についてからの観光時間が長く取れるという旅行効率の観点では、早朝便は理にかなっています。

深夜便については、子連れでの利用は正直おすすめしにくいのが本音です。子どもが眠くなる時間帯のフライトは機嫌が不安定になりやすく、同乗者への申し訳なさや親自身の疲労を考えると、数千円の節約のために払うコストとして見合わないと感じるようになりました。

時間帯の選択は「安さだけ」で判断せず、家族の体力・体調・旅程全体への影響を加味したうえで決めることが、家族旅行には特に重要です。


モバイルバッテリーと変換プラグで旅のトラブルを回避する

節約とは直接関係ないように見えますが、旅先でのトラブルによって発生する「予定外の出費」も家族旅行の総コストに影響します。特にスマートフォンのバッテリー切れと海外での電源問題は、ちょっとした準備で防げるのに多くの家族が見落としがちなポイントです。

子連れ旅行では、スマートフォンが地図・翻訳・搭乗券・ホテルのバウチャーと多用途になります。バッテリーが切れると一気にトラブルに発展するため、モバイルバッテリーの携帯は今や必需品と言えます。軽量タイプのものであれば180g前後で機内持ち込みの荷物にも大きな影響がなく、スマートフォンを2〜3回充電できる容量があれば1泊2日〜2泊3日の旅行には十分対応できます。

海外旅行では変換プラグの準備も欠かせません。特にアジア圏の旅行先では国によってコンセントの形状が異なり、対応していないプラグを持参すると充電すらできない事態になります。150カ国以上に対応したマルチタイプの変換プラグをひとつ持っておくだけで、渡航先ごとに買い直す手間とコストが省けます。USB-Aポートが複数ついているタイプであれば、家族全員のデバイスを1つのコンセントからまとめて充電できて便利です。

こうした「旅のインフラ」を整えることで、トラブルによる余計な出費や時間のロスを防げます。節約の本質は「使わなくていいお金を使わないこと」であり、そのための準備投資は惜しむべきではないと考えています。


これからLCCで家族旅行を始める方へ

LCCを家族旅行に使いこなすには、「安さの仕組みを理解すること」がすべての出発点です。以下に、筆者が特に重要だと感じているポイントをまとめます。

手荷物ルールは渡航ごとに確認する。LCCによって、また時期によってルールが変わることがあります。公式サイトの最新情報を毎回チェックする習慣をつけましょう。

チケット代と総旅行費用を分けて考える。チケットが安くても、追加料金・交通費・宿泊費を含めたトータルで比較しなければ本当の節約にはなりません。

荷物の中身を見直す。「念のため」を減らして機内持ち込みに収めることができれば、料金の節約だけでなく旅の快適さそのものが上がります。

時間帯の選択は慎重に。早朝・深夜便はアクセスコストと家族の体力を含めて判断してください。特に小さな子ども連れでは、到着後の疲労が旅全体の満足度を左右します。

繁忙期は早めに動く。LCCのチケットは早く買うほど安いことが多いため、旅行の計画は早めに立てましょう。逆に、直前割引を狙う戦術は家族旅行には向きません。

節約は手段であり、目的は家族が笑顔で旅を楽しむことです。コストを抑えながらも、子どもの思い出に残る旅を積み重ねていただければと思います。


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日本人の国内旅行消費額の推移(出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」)(観光庁「旅行・観光消費動向調査」)

出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」

よくある質問

Q. LCCで子どもと一緒に乗るとき、座席指定は必須ですか?

A. 法的な義務はありませんが、子どもの年齢によって現実的な判断が変わります。6歳未満の幼児連れであれば、親と離れた座席になるリスクを避けるためにも座席指定をとることをおすすめします。小学生以上であれば、閑散期のフライトに限ってオンラインチェックインを早めに行うことでまとまった席が割り当てられるケースも多く、座席指定を省く選択肢もあります。繁忙期や満席に近い便では座席指定を取る方が安心です。

Q. 手荷物の重量オーバーを空港で指摘されたらどうすればよいですか?

A. 当日に荷物を減らすか、追加料金を支払うかの2択になります。空港でその場で荷物を減らすのは現実的に難しいため、出発前に必ず計測する習慣をつけることが大切です。自宅での計量には料理用のスケールや体重計が使えます。もしオーバーしそうであれば、出発前日のうちに航空会社のアプリやウェブサイトから手荷物を追加購入する方が、空港カウンターで当日追加するよりも割安なことがほとんどです。

Q. LCCのキャンセル・変更に備えて何か準備しておくことはありますか?

A. LCCはキャンセル・変更手数料が高額になるケースが多く、日程変更が難しいという特性があります。旅行保険に加入しておくことが最低限の備えになります。特に子連れ旅行では子どもの急病によるキャンセルが現実的なリスクとして存在します。クレジットカード付帯の旅行保険で補償される場合もあるため、事前に補償内容を確認しておきましょう。また、フレックス運賃(変更手数料が低い料金タイプ)を選べる場合は、日程の柔軟性と料金のバランスを比較して検討することをおすすめします。


まとめ

LCCを使った家族旅行の節約術は、「安いチケットを探すこと」ではなく「追加コストを発生させないこと」が核心です。手荷物ルールの把握、荷物の最小化、時間帯の費用対効果の計算、そして繁忙期・閑散期に応じたメリハリのある使い方——これらを組み合わせることで、旅費を大幅に抑えることができます。

10年間の試行錯誤を経て筆者が感じるのは、節約の習慣は旅行の満足度を下げるものではないということです。むしろ荷物が軽くなり、移動がスムーズになることで、旅そのものが楽しくなります。

LCCの仕組みを理解し、家族の状況に合った使い方を見つけることが、長く続けられる賢い旅の第一歩です。ぜひ自分たちのスタイルに合った節約術を見つけてみてください。

関連ツール旅行グッズ所持率チェック

定番の旅行グッズ30種を「持ってる・持ってない」でチェック。他の旅行者との所持率も比較できます。

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関連ツール忘れ物リスク診断

行き先と季節を選ぶと、忘れやすいアイテムがリスク順に出ます。出発前の最終確認に。

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この記事を書いた人

旅ガジェット番長・リョウ
旅ガジェット番長・リョウ

年間50回超えのフライトで空港を自分の庭と呼ぶトラベラー。「このスーツケース預け入れたら傷つくよ」と教えてくれる空港スタッフとは顔なじみ。旅先での楽しみより「次の旅で何グッズを試すか」を考えている時間の方が長い。荷物は常に機内持ち込みサイズ以内に収める主義。

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この記事を書いた人

年間50回超えのフライトで空港を自分の庭と呼ぶトラベラー。「このスーツケース預け入れたら傷つくよ」と教えてくれる空港スタッフとは顔なじみ。旅先での楽しみより「次の旅で何グッズを試すか」を考えている時間の方が長い。荷物は常に機内持ち込みサイズ以内に収める主義。

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