10年・50回超のLCC家族旅行で学んだ本当の節約術

公開: 2026年6月20日更新: 2026年7月5日旅ガジェット番長・リョウ
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旅行費をLCCで半分以下にしてきた10年間

私がLCCを初めて使ったのは、長女がまだ3歳のころでした。当時は「安かろう悪かろう」というイメージが先行していて、正直なところ半信半疑で搭乗券を予約したことを覚えています。ところが、その初フライトで往復の航空券代が家族4人分でも大手キャリアの半分以下になったことに衝撃を受け、以来10年間でLCCを使った家族旅行は50回を超えました。

沖縄・北海道・台湾・バンコクなど、国内外を問わず飛び回ってきましたが、成功ばかりではありません。手荷物超過で追加料金を取られたこと、安いからと無計画にオプションを付けて結局割高になったことも一度や二度ではありません。失敗を重ねながら、少しずつ「本当に使える節約術」を身につけてきました。このコラムでは、そうした10年分の試行錯誤をすべて開示します。

目次

LCCの普及と家族旅行費の実態

国土交通省航空局が毎年公表している「航空輸送統計」によると、LCC(格安航空会社)の国内線旅客数シェアは2015年には約10%でしたが、2023年度には約30%にまで拡大しています。コロナ禍を経て、旅行需要が回復する過程でLCC利用者はさらに増加しており、特に家族連れや若年層を中心に「最初からLCCを検討する」スタイルが定着してきました。

一方で、総務省が公表している「家計調査」(2023年)を参照すると、2人以上世帯の年間旅行・宿泊費の支出は平均約8万円から10万円程度とされています。子どもがいる世帯では教育費や食費が優先されることが多く、旅行費を削りたいというニーズは根強くあります。LCCが提供する「基本運賃の低さ」は、こうした家計ニーズとうまく合致しており、国内主要路線では大手キャリアの通常料金と比較して30〜60%安くなるケースも珍しくありません。

ただし、注意すべき点があります。LCCは「基本運賃が安い」だけで、預け荷物・座席指定・機内食などはすべて別料金です。国土交通省の調査でも、LCC利用者の不満点として「付帯サービス料金の複雑さ」が上位に挙がっています。子ども連れでの旅行は荷物も多くなりがちで、オプション料金を足していくと大手キャリアとほとんど変わらなかった、という落とし穴に多くの家族が直面します。

この「見かけの安さ」と「実際の総額」のギャップをどう埋めるかが、LCC家族旅行を本当の節約につなげる最大のポイントです。私自身も最初の2〜3年はこのギャップに何度も悔しい思いをしました。次のセクションから、その具体的な経験と対策をお伝えします。

初めての失敗:手荷物超過で1万円飛んだ沖縄旅行

長女3歳、長男1歳を連れた初めてのLCC沖縄旅行。往復の航空券は家族4人で3万5,000円と破格でした。ところが搭乗当日、チェックインカウンターで衝撃の事態が起きました。荷物の重量が規定を超えており、追加料金として1人あたり3,000円、家族4人分で1万2,000円を請求されたのです。

あの瞬間の苦さは今でも覚えています。子ども2人分のオムツ、着替え、日焼け止め、浮き輪……「子ども連れだから多少多くても仕方ない」と甘く見ていた結果でした。節約できたはずの航空券代の3分の1以上が、荷物料金として消えていきました。

この失敗から学んだことは2つです。まず「LCCの手荷物規定は航空会社ごとに異なるため、必ず事前に確認する」こと。国内主要LCCでは、預け荷物なしのプランが基本で、追加する場合は1個あたり1,000〜3,000円程度が相場です。家族4人分になると、この差額は非常に大きくなります。

次に「圧縮収納を徹底する」ことです。翌年の旅行から、衣類の収納方法を見直しました。旅行用の圧縮袋を活用するようになってからは、3〜4泊分の家族の衣類をひとつのキャリーバッグにまとめることができるようになりました。荷物の体積を減らすことで重量も抑えられ、それ以降は手荷物超過を一度も経験していません。準備の段階で「荷物を減らす工夫」をするか、「預け荷物の料金を旅行前に予約して安くする」かを必ず検討するようにしています。

座席指定の落とし穴:バラバラに座らされた台湾旅行

台湾・台北への家族旅行で、座席指定料金を節約しようとしたことがあります。「子どもたちも大きくなってきたし、隣でなくてもいいだろう」と判断したのが間違いでした。当日、搭乗してみると家族4人の座席はバラバラで、しかも私と妻は離れた列、子どもたちはそれぞれ見知らぬ方の隣に配置されていました。

フライトは約3時間。子どもたちは当初は平気そうにしていましたが、離陸後しばらくすると下の子が不安がり始め、乗務員の方に事情を説明して席を交換していただくことになりました。乗務員の方には丁寧に対応していただきましたが、周囲の方にもご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳なかったと反省しています。

この経験から、子ども連れの場合は座席指定を「ケチってはいけないオプション」として位置づけるようにしました。LCCの座席指定料金は路線や席の位置によりますが、前方や非常口横などでなければ1席あたり数百円から1,500円程度で済むことが多いです。家族4人でも合計5,000〜6,000円程度。この安心感はお金には替えられません。

また、LCCの多くは「早期予約ほど基本運賃が安く、座席指定料金も安いタイミングがある」という仕組みを持っています。搭乗日の2〜3ヶ月前に予約する際に一緒に座席指定も済ませると、割安な席を確保しやすいです。節約すべきところと、絶対に節約してはいけないところを明確に分けることが、LCC家族旅行の基本姿勢だと学びました。

セール情報を制する者がLCCを制す:北海道3泊4日を驚きの価格で

LCC各社は定期的に「セール」を実施します。私が最もうまく活用できた例が、北海道・札幌への家族旅行です。早朝にスマートフォンの通知で「48時間限定セール」を知り、すぐに予約サイトを開いたところ、東京〜新千歳の往復が家族4人で合計1万8,000円という価格で取れました。通常期の約3分の1以下の価格です。

このセールを活用するためには、いくつかの準備が必要です。まず「LCC各社の公式メルマガやアプリの通知を必ずオンにしておく」こと。セールの多くは期間が短く、24〜72時間で終了するものがほとんどです。気づいたときには終わっていたという経験を何度もしたからこそ、今は全社のアプリをインストールしてプッシュ通知を設定しています。

次に「旅行の日程をある程度フレキシブルにしておく」ことです。セールは特定の日程に集中していることが多く、「この日しか無理」という制約があると活用しにくくなります。わが家は子どもたちの学校の長期休暇の前後1〜2週間を「旅行候補期間」として設定し、その中でセール価格が出た日程を選ぶようにしています。

もう一点、見落としがちなのが「帰着日の設定」です。セールは往路だけが安く、復路は通常価格という場合もあります。必ず往復合算の総額で比較することが大切です。帰路の料金を確認せずに「安い!」と飛びつき、復路が高くてがっかりした経験もあります。総額比較の習慣は、LCC利用において最も重要なスキルのひとつです。

空港アクセスと時間コストの計算:深夜便の後悔

LCCの多くは、利用空港が「第2ターミナル」や郊外の空港になっているケースがあります。成田空港や関西国際空港がその代表例です。ある年の夏休み、コストを最大限に下げようと深夜0時発の成田発バンコク便を予約しました。家族4人の航空券は往復合計で6万円以下と、本当に安くなりました。

ところが、当日の移動は想像を絶する大変さでした。成田空港へのアクセスに1時間半、空港での手続きに1時間、深夜の出発まで待機で子どもたちはぐったり。バンコクに着いた頃には全員が疲弊しきっており、最初の1日は観光もできずホテルでほぼ休息するはめになりました。移動費を削って浮いた数万円が、初日丸々のロスとして家族全員にのしかかってきたのです。

この反省から、子連れのLCC旅行では「時間コスト」を必ず計算に入れるようにしました。具体的には、空港アクセスの交通費と時間、出発時刻が早朝・深夜の場合の前泊費用や体力的コスト、乗り継ぎがある場合の合計移動時間、この3点を航空券の価格と並べて比較します。結果として「少し高くても直行便の昼便にする」という判断をすることが増えました。

節約は大切ですが、旅行の満足度を根本から損なうほどのコスト削減は本末転倒です。特に子どもが小さいうちは、体力的な余裕を持った旅程設計が結果的に「良い旅」につながると、この失敗から強く感じました。

宿泊費との合わせ技:航空券と宿泊のバランス設計

LCCで航空券を安く抑えられたからといって、宿泊費を無計画に選ぶと節約効果が半減します。私が長年試行錯誤して辿り着いたのが「航空券と宿泊費を合算した旅行総額で予算管理する」という考え方です。

例えば、沖縄旅行で航空券が1人あたり5,000円(往復)だったとします。大手キャリアなら同じ路線が1人往復1万5,000円だとすると、家族4人で4万円の差額が生まれます。この差額を宿泊費に回すことで、素泊まりの格安宿ではなく、プール付きのリゾートホテルに泊まることができます。子どもたちにとっての旅行の満足度は、飛行機よりもホテルの設備や食事に大きく左右されることが多く、この「航空券は削って宿を充実させる」戦略は非常に効果的でした。

また、宿泊先の選び方もコスト最適化に直結します。子ども連れの場合、「食事なし」プランで安い宿を選ぶより、「朝食付き」や「夕食付き」のプランが家族全員の食費を含めると割安になるケースが多くあります。特に夕食は、観光地の飲食店で家族4人分を注文すると想定外に高くなることもあります。食事つきの宿を選ぶことで、1食あたりの単価を下げながら子どもも安心して食べられる環境を確保できます。

「LCCで削った分を宿泊の質に投資する」という逆転の発想が、家族旅行全体の満足度を高めながら総額を抑える、私が最も気に入っている節約戦略です。

LCC家族旅行を成功させるための実践アドバイス

10年間の経験から導き出した、LCC家族旅行の実践的なアドバイスをまとめます。

まず最優先で取り組んでほしいのが「予約タイミングの最適化」です。LCCは早期予約ほど安くなる仕組みが基本です。旅行の2〜3ヶ月前、できれば各社のセール期間中に予約することで、通常運賃の半額以下になることも珍しくありません。「いつか行こう」という漠然とした計画ではなく、年間の旅行スケジュールをある程度決めておき、セール情報が来たときに即座に動けるよう準備しておくことが大切です。

次に「荷物戦略を家族全員で共有する」ことです。何を持っていくか・持っていかないかを出発の1週間前から話し合い、衣類は圧縮収納を活用して最小限に抑えます。現地調達できるもの(使い捨てカミソリ、シャンプーなど)はあえて持参しないという選択も有効です。荷物を減らすことは、体力的な負担を減らすことにも直結します。

「座席指定・保険は削らない」という原則も守ってください。子ども連れで座席がバラバラになるリスクは避けなければなりません。また、海外旅行の場合は旅行保険への加入も必須です。保険料をケチって万が一の際に大きな出費を抱えた知人の例を見てきただけに、ここは絶対に妥協しないことを強くお勧めします。

最後に「総額比較の習慣」をつけてください。航空券の表示価格だけで判断せず、座席指定・手荷物・空港アクセス・前泊の可能性など、すべてを含めた実質コストで比較することが、LCC節約の本質です。

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日本人の国内旅行消費額の推移(出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」)(観光庁「旅行・観光消費動向調査」)

出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」

よくある質問

子どもが小さい場合、LCCは使えますか?

乳幼児連れでもLCCは利用できますが、いくつかの点を確認する必要があります。多くのLCCでは2歳未満の幼児は膝上での搭乗が可能で、座席料金は無料か低額です。ただし、ベビーカーの預け入れは追加料金になる場合があります。また、フライト時間の短い国内線から始めることをお勧めします。初めてのLCCは、慣れるまで2時間以内の短距離路線で試してみるのが安心です。

セールで安く買った航空券はキャンセルできますか?

LCCのセール運賃はキャンセル不可・変更不可のケースが非常に多いです。予約前に必ず「運賃規則」を確認してください。どうしても変更が必要になる可能性がある場合は、変更可能な運賃プランを選ぶか、旅行保険のキャンセル補償に加入しておくことで、不測の事態に備えることができます。私自身も一度、子どもの体調不良でフライトをキャンセルせざるを得なくなり、保険に入っていて本当に救われた経験があります。

LCCと大手キャリアはどう使い分けるべきですか?

旅行の目的と優先事項によって使い分けるのが最善です。荷物が少なく、フレキシブルな日程で動ける旅行ならLCCが向いています。一方、大きな荷物が必要、深夜や早朝便を避けたい、マイルを貯めたいという場合は大手キャリアを選ぶメリットが大きくなります。わが家では「国内旅行・近距離アジアはLCC、長距離国際線や荷物が多い旅行は大手キャリア」という大まかな基準を設けています。

10年分の試行錯誤が教えてくれたこと

LCCは使い方次第で、家族旅行の可能性を大きく広げてくれるツールです。安い運賃に飛びつくだけでなく、手荷物戦略・座席指定・セール活用・宿泊との組み合わせを総合的に考えることで、初めて本当の節約が実現します。

10年間で50回以上の旅行を重ねてきた私自身、今でも新しい発見や失敗があります。旅行の準備を重ねるたびに「もっとうまくできたかもしれない」と感じることも正直あります。それでも、家族で様々な場所を旅し、子どもたちの笑顔を見るたびに「LCCを使い倒してよかった」と思えます。

この記事で紹介した経験と知識が、皆さんの家族旅行の計画に少しでもお役に立てれば幸いです。旅の準備は入念に、でも旅そのものは思い切り楽しんでください。

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行き先と季節を選ぶと、忘れやすいアイテムがリスク順に出ます。出発前の最終確認に。

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この記事を書いた人

旅ガジェット番長・リョウ
旅ガジェット番長・リョウ

年間50回超えのフライトで空港を自分の庭と呼ぶトラベラー。「このスーツケース預け入れたら傷つくよ」と教えてくれる空港スタッフとは顔なじみ。旅先での楽しみより「次の旅で何グッズを試すか」を考えている時間の方が長い。荷物は常に機内持ち込みサイズ以内に収める主義。

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この記事を書いた人

年間50回超えのフライトで空港を自分の庭と呼ぶトラベラー。「このスーツケース預け入れたら傷つくよ」と教えてくれる空港スタッフとは顔なじみ。旅先での楽しみより「次の旅で何グッズを試すか」を考えている時間の方が長い。荷物は常に機内持ち込みサイズ以内に収める主義。

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