LCC歴10年・年3回以上の家族旅行で学んだ本当の節約術

公開: 2026年6月18日更新: 2026年7月5日旅ガジェット番長・リョウ
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著者の経験背景

子ども3人を連れた5人家族での旅行を始めて10年が経ちました。最初は「大手航空会社しか怖くて乗れない」と思い込んでいた私が、今ではLCCを年3〜5回活用する節約旅行の実践者になっています。

きっかけは長男が小学校に入学した年の夏休みです。大手キャリアで沖縄に飛ぼうとしたところ、家族5人分の往復航空券だけで30万円を超えるという現実に直面しました。「これでは毎年旅行なんて無理だ」と感じたのが、LCCへの扉を開いたきっかけです。

最初の数年は失敗の連続でした。受託手荷物料金を見落として空港で追加課金されたり、座席指定を渋った結果5人がバラバラに座ることになったりと、試行錯誤の末に「安く見えて実は高くなる罠」をひとつひとつ学んできました。今ではその経験を生かし、5人家族でも年間の旅行費用を大幅に抑えながら、満足度の高い旅を続けています。


目次

LCCを取り巻く現状と家族旅行の変化

国土交通省の航空輸送統計によると、国内LCC旅客数は2012年のLCC本格参入以降、右肩上がりで増加してきました。コロナ禍での落ち込みを経て、2023年度には再びコロナ前の水準に迫る回復を見せており、特に国内線での需要回復が顕著です。

総務省家計調査(2023年)では、二人以上世帯における「交通・通信」費と「教養娯楽」費の合計が可処分所得に占める割合は横ばいから微減傾向にある一方で、旅行そのものの回数は増加傾向にあることが示されています。これは、1回あたりの単価を下げながら旅行頻度を維持・向上させる消費行動の変化を示唆しています。

JTBの「旅行動向調査」においても、国内旅行の費用に対する節約意識が特に子育て世帯で強まっており、LCCや格安宿泊施設の利用経験者が増えていることが報告されています。特に30〜40代のファミリー層でLCC利用率が上昇しており、「旅行の民主化」とも呼べる現象が起きています。

LCCの基本的な仕組みは、機内食・座席指定・受託手荷物といったサービスをすべてオプション化することで基本運賃を抑え、利用者が必要なものだけを選べる構造になっています。この「アンバンドリング」と呼ばれる戦略により、荷物が少なく機内食を必要としない旅行者にとっては、大手キャリアの半額以下で移動できるケースも珍しくありません。

ただし、家族旅行、特に幼い子どもを連れた旅では注意が必要です。受託手荷物なしで旅行を完結させることが難しい子育て世代にとって、オプション料金の積み上がりが最終的な費用を押し上げるリスクがあります。国民生活センターへの相談事例でも、「追加料金を把握していなかった」という声が航空券購入に関するトラブルの中で一定数を占めています。

こうした背景から、LCCを「安い」と単純に信じるのではなく、「どのコストが発生するかを把握したうえで選ぶ」という姿勢が、家族旅行での賢い活用に不可欠です。実際に年間複数回利用してきた経験から言えば、仕組みを理解しさえすれば、LCCは家族旅行の選択肢を劇的に広げてくれる強力なツールです。


受託手荷物料金で失敗した最初の旅

最初にLCCを使ったのは、子どもが7歳・4歳・1歳のときの福岡旅行でした。大手キャリアより1人あたり8,000円ほど安い運賃を見つけ、5人分で4万円の節約になると意気揚々と予約したのを覚えています。

しかし空港に着いて現実を突きつけられました。オンラインで座席指定を済ませておらず、当日窓口で指定しようとしたところ1席あたり800円。5人で往復すると8,000円の追加です。さらに幼児用の荷物が多く、スーツケースが2個になってしまったため受託手荷物代が往復で1個あたり3,000円、合計12,000円。当初の「4万円節約」が、気づけば2万円程度の節約に半減していました。

最もショックだったのは、これらが航空券の購入時に選択画面として表示されていたにもかかわらず、私が「後でいい」「荷物は減らせる」と甘く考えてスキップしていた点です。要するに、自分の不注意が招いた追加費用でした。

この失敗から学んだのは「購入時にすべてのオプションを含めたトータルコストを計算する」という鉄則です。以降は予約画面で座席指定・受託手荷物・各種保険の有無を確認し、すべて含めた金額を大手キャリアの運賃と比較してから購入を決めるようにしました。

また、荷物を減らすための工夫も始めました。着替えの枚数を見直し、現地調達できるものは買わないようにしました。この旅の失敗が、後の節約習慣の基盤を作ったと今では感謝しています。


セール運賃を「狙い撃ち」するようになった転換点

LCC各社は定期的にセール運賃を設定しています。私がこれを本格的に活用し始めたのは、2回目の失敗がきっかけです。繁忙期の夏休みに直前でLCCを予約しようとしたところ、すでに大手キャリアと大差ない運賃しか残っておらず、「LCCなのに安くない」という経験をしました。

調べてみると、LCCの運賃は需要と残席数に連動しており、直前になるほど高くなる傾向があることがわかりました。むしろ早期購入割引やセール時の運賃が最も安く、その差は1席あたり数千円から1万円以上になることもあります。

それ以来、旅行計画は「行きたい時期から逆算して3〜6ヶ月前に決める」スタイルに変えました。具体的には、LCC各社のメールマガジンに登録し、不定期に届くセール情報を受け取るようにしています。「◯月◯日まで、特定路線が片道2,000円台」といったセール案内が来たタイミングで、家族の予定と照らし合わせて即決する体制を整えました。

この方法で最も成功した事例は、那覇行きの往復を家族5人分で計4万円台に抑えられたときです。通常運賃では1人片道1万円前後するところを、セール価格で1人片道4,000円台で取れました。ただし、セール運賃は変更・キャンセルが原則不可のものが多く、子どもの急な体調不良リスクを考えると、旅行保険への加入は必須と感じています。

柔軟性を犠牲にする代わりに大幅な節約を得る、このトレードオフを正確に理解してから利用することが、セール運賃活用の前提条件です。


荷物を最小化する工夫と子育て世代の現実

「荷物を減らせばLCCはもっと安くなる」と頭ではわかっていても、子ども連れの旅では理想と現実の間に大きなギャップがあります。特に乳幼児がいた時期は、着替え・おむつ・ミルク・おもちゃなど、荷物がどうしても膨らみます。

私が取り組んだのは「現地調達できるものリスト」の作成です。おむつや粉ミルク、着替え用の安価な衣類、日焼け止めなどは現地のドラッグストアやコンビニで調達する前提で持参しないようにしました。旅先でも大手チェーンのドラッグストアは整備されており、特に沖縄や北海道の主要都市では入手に困ることはほとんどありませんでした。

衣類の圧縮については、圧縮袋を活用することで持ち込み荷物の体積を大幅に削減できます。手押しで空気を抜くタイプの圧縮袋は、スーツケースやバッグの中での衣類の占有スペースを半分以下にしてくれることもあり、受託手荷物なしで旅行を完結させる助けになっています。

また、子どもが成長するにつれて荷物の性質が変わります。乳幼児期を過ぎると、おむつやミルクが不要になり、荷物量は自然と減ります。現在、上の子が高校生になった今では、3人の子どもたちに「自分の荷物は自分で管理する」ルールを課しており、それぞれが機内持ち込みバッグひとつに収める練習をしています。旅がそのまま「整理・判断力」の教育になっているのは、思わぬ副産物です。

受託手荷物を極力減らすことで、手続きの時間短縮という別のメリットも生まれました。チェックインカウンターに並ぶ必要がなく、モバイル搭乗券でそのままセキュリティに進めるため、特に子連れの移動では「時間の節約」が「精神的な余裕」に直結します。


時間帯の選び方と子連れフライトのストレス管理

LCCでよく見られる早朝・深夜便は、運賃が安い傾向にありますが、子連れでの利用には慎重な判断が必要です。私はこの点で何度か後悔をしました。

最も辛かったのは、節約のために選んだ朝6時台の出発便です。前泊なしで行こうとした結果、深夜3時起き・4時出発・空港到着5時という強行スケジュールになり、3人の子どもたちはぐずり、妻は無言になり、旅行初日から家族全員が疲弊しきっていました。現地についても午前中は全員が半分眠ったような状態で、せっかくの旅が台無しでした。

この経験から「時間帯の運賃差が3,000円以内なら、無理のない時間の便を選ぶ」という自分ルールを設けました。朝8〜9時台の出発であれば前日の就寝時間を多少遅らせるだけで対応でき、子どもたちのコンディションも良好に保てます。節約の数字だけを追うのではなく、旅の「品質」を守るためのコスト配分という視点が大切です。

一方、帰りの便については少し遅めの時間帯を選ぶようにしています。旅行最終日まで現地を楽しめる時間が増えるうえ、子どもが帰路のフライト中に寝てくれることが多く、親の負担が減ります。深夜便は疲れた子どもが泣きやまないリスクもあり、周囲への配慮という意味でも避けるのが無難です。

時間帯の選択は、単純な運賃比較だけでなく、移動の前後にかかる体力・精神的コスト・前泊費用なども含めたトータルコストで判断することが、家族旅行ではとりわけ重要です。


読者へのアドバイス

LCCを家族旅行に活用するうえで、最初に意識してほしいのは「比較の軸を正しく設定する」ことです。LCCの基本運賃と大手キャリアの運賃を比べるのではなく、LCCのオプションをすべて加算した「実際に払う金額」を大手キャリアの最終価格と比較することが出発点です。

次に、計画のタイミングを前倒しにすることを強くお勧めします。3〜6ヶ月前に旅の時期と目的地を決め、各LCC公式サイトのセール情報に登録しておくと、驚くような運賃に出会えることがあります。「旅行したいな」と思ってから探すのではなく、「お得な便が出たら旅行する」という発想の転換が節約の鍵です。

荷物については、最初から「受託手荷物なし」を目標に設定して計画を立ててみてください。圧縮袋や現地調達の仕組みを使えば、家族4〜5人でも機内持ち込み荷物だけで旅を完結させることは十分可能です。荷物を減らすプロセスを楽しめるようになると、旅そのものの質が上がります。

時間帯の選択では、最安値にこだわりすぎないことも一つの判断です。早朝便や深夜便で節約した数千円が、翌日の体調不良や旅の満足度低下というかたちで帳消しになることは少なくありません。「節約した分で現地で一食美味しいものを食べる」という考え方が、家族全員の満足度を高める使い方です。

最後に、旅行保険への加入は節約家族旅行の前提条件として組み込んでください。LCCの変更・キャンセルポリシーは大手キャリアより厳しいことが多く、特に子どもがいる家庭では突然の発熱などに備えることが旅の安心につながります。


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日本人の国内旅行消費額の推移(出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」)(観光庁「旅行・観光消費動向調査」)

出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」

よくある質問

Q. LCCと大手キャリアはどちらが家族旅行に向いていますか?

A. 一概にどちらが優れているとは言えません。移動距離が短く荷物量を調整できる国内旅行では、LCCは非常に有効な選択肢です。一方、長距離国際線や大型荷物が必要な旅、小さな乳幼児を連れた移動では、大手キャリアのサービスが旅全体の満足度を支えることもあります。トータルコストを比較しながら、旅ごとに柔軟に選ぶのが現実的なアプローチです。

Q. セール情報を見逃さないためのコツはありますか?

A. 各LCC公式サイトのメールマガジン登録が最も確実です。セールは突発的に告知されることが多く、SNSのフォローよりもメール通知のほうが見落としが少ない傾向にあります。また、旅行比較サイトの価格アラート機能を使うと、特定の路線が設定価格を下回ったときに通知を受け取ることができます。日頃からアンテナを張っておく習慣が、セール運賃との出会いを増やします。

Q. 子どもが幼いうちはLCCを避けたほうが良いですか?

A. 乳幼児連れでのLCC利用は難易度が高めですが、不可能ではありません。短距離路線かつ日中便を選ぶこと、荷物の事前準備を念入りにすること、おむつ替えスペースの有無を事前確認することなど、準備次第でリスクを下げることができます。ただし、フライト時間が長い路線や深夜便は、子ども・親双方の負担が大きくなるため、子どもが3〜4歳以上になってからの挑戦を検討しても良いでしょう。


まとめ

LCCは「安い航空会社」ではなく「仕組みを理解した人が得をする航空会社」だと、10年の家族旅行を通じて実感しています。受託手荷物料金、座席指定料、セール運賃の仕組み、時間帯の選び方――これらをひとつずつ理解していくプロセスは、失敗の繰り返しでもありました。

しかし、その試行錯誤があったからこそ、今では5人家族でも年複数回の旅行を無理なく実現できています。節約は目的ではなく手段です。浮いた旅費を現地での体験や宿泊の質に充てることで、家族の思い出はより豊かになります。

「LCCは怖い」「子連れには無理」と感じている方も、まずは短距離・日中便・早期予約という三原則から試してみてください。最初の一歩が、家族旅行の選択肢を大きく広げてくれるはずです。

関連ツール荷物の重量チェック

持ち物リストを入力すると総重量を自動計算。航空会社の制限内に収まるか確認できます。

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この記事を書いた人

旅ガジェット番長・リョウ
旅ガジェット番長・リョウ

年間50回超えのフライトで空港を自分の庭と呼ぶトラベラー。「このスーツケース預け入れたら傷つくよ」と教えてくれる空港スタッフとは顔なじみ。旅先での楽しみより「次の旅で何グッズを試すか」を考えている時間の方が長い。荷物は常に機内持ち込みサイズ以内に収める主義。

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この記事を書いた人

年間50回超えのフライトで空港を自分の庭と呼ぶトラベラー。「このスーツケース預け入れたら傷つくよ」と教えてくれる空港スタッフとは顔なじみ。旅先での楽しみより「次の旅で何グッズを試すか」を考えている時間の方が長い。荷物は常に機内持ち込みサイズ以内に収める主義。

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